英検1級対策に使える「知識と教養の英会話」
教材の目的
この教材の目的は以下の点に集約されるかと思います。
- スピーキング能力の向上
- ハイレベルなリスニング能力の向上
- 平和、芸術、化学、政治、医学など幅広い分野に通じるネタとボキャブラリーの習得
本の題名からも想像が付きますが、知的な英会話ができるようになることに特化した本です。
このレベルの内容が問題なく聞けて話せる状態になれば英語圏でほぼ困ることはないと思います。それ故、純ジャパの学習者としてはハードルが高いですが、高地トレーニングには良いかと思います。
また英会話としてスキルを習得するだけでなく、一般教養を知るという面でも面白いです。全てが日本語で書かれていたとしても初めて知る知識が多いので、教材を通して教養を得ることも出来るはずです。
英語を学ぶ人は国内外に関するニュースや文化に関心がある人が多いので、この本に取り組むことで興味が刺激されてモチベーションアップに繋がると思います。
対象者
私が思う教材の対象者は以下の通りです。
- 英検1級レベルのスピーキングテストを突破したい人
- 英会話と国内外の文化を知ることが好きな人
対象者のレベルは英検1級を狙えるレベルの方だとスムーズに学べると思います。
ただ英会話自体が好きな人であれば、誰でも楽しめるとも思います。勉強という義務感ではなく、読書くらいの感覚で読んでみると面白いかもしれません。
教材の構成と使い方
教材の構成
政治、経済、芸術、スポーツなど広い分野から各テーマが選出され、そのテーマについて2人のネイティブが会話する形式になっています。
さらに重要フレーズを使った例文とコラムが付いています。
つまり、各テーマに対して見開き3ページのボリュームで英会話(音声付き)、チェックテスト、ボキャブラリー、重要例文(音声付き)とコラムが付いています。
使い方
使い方としては、以下のような流れで行うと良いかと思います。
- プロローグを読んで前提知識を確認する。
- 音声を聞いて会話の流れと内容を極力理解する。難しいので何度も聴いて内容を想像しましょう。
- 聴こえた内容をもとにチェックテストに回答してみましょう。解答は後ろの方のページに記載してあります。
- スクリプトとボキャブラリー欄を見ながら会話文を全て理解します。知らない表現はマーカーで印をつけるなど工夫してなるべく覚える努力をしましょう。
- 「会話で使えるフレーズ」も一度音声を聞き、内容を想像してからスクリプトを確認します。
- 会話文と「会話で使えるフレーズ」をシャドーイングしてスラスラ言えるようにします。
- 英検1級の2次試験を受ける人は、自分なりの言葉でフレーズを使えるようにスピーチを作っておくと良いです。今回に限らずですが、自分の頭で考えてアウトプットすることで使える状態にしておくことが重要です。
この教材を使用するメリット
英会話をすることが前提として作られているため、スピーキング力を養うのに適しています。さらに英語の学習教材という枠を超えて、教養を養えるという意味でも充実しています。
英語を使ってペラペラ話せるようになりたい、海外の人と交流できるようになりたい、海外カルチャーを知りたいと言った人にとってはモチベーションが刺激される良い本かと思います。
英語を勉強しなければいけないとか、努力しなければ、といった義務感なしで楽しめる教材です。
さらに監修しているのが、イギリス人のネイティブなので不自然な英語を覚えさせられるといった危険がありません。
英語表現にはネイティブでなければ良し悪しの判断がつかないような微妙なニュアンスがたくさんありますが、そういった心配をしなくて良いのは大きな利点かと思います。
この教材を使用するデメリット(注意点)
デメリットとしては難易度が高いということです。私は英検1級に合格していますが、それでも音声を聞き返してみると未だにちゃんと聞き取れない部分があります。
試験を受ける直前などで教材の難しさによって自信を失くしてしまう可能性がある人は避けておいた方が良いかもしれません。
ただし、英会話自体に興味や楽しいという感覚を持っている人がやってみるのは全然ありだと思います。
まとめ
「知識と教養の英会話」についてのまとめは以下の通りです。
- 英検1級以上の難易度である。
- スピーキング能力向上の役に立つ。(出てきたフレーズを使って自分の言葉で話せるようにしておくことを強くおすすめします)
- シャドーイングすることでリスニング能力向上の役に立つ。
- 英語教材の枠を超えて教養を得るという意味で面白い。
- 試験直前に購入すると難しさに自信を失くしてしまう可能性がある。(気にしない人は問題なし)
私は英検1級に合格した今でも時折見返して楽しんでいます。関連シリーズもたくさんあるようです。興味がある方はぜひ取り組んでみてください。